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11/03/2022
▼ フィルムカメラとは?
▼ フィルムカメラとデジタルカメラの違い
▼ フィルムカメラで撮った写真の特徴
▼ フィルムカメラの選び方
▼ フィルムカメラのおすすめ9選
▼ フィルムカメラの使い方とQ&A
▼ まとめ
デジタルカメラの普及により、見かける機会が激減したフィルムカメラですが、どこか懐かしい感じのするレトロな写りや、フィルムを現像するまで写りを確認できないゆったりとした時間の流れが最近見直されています。
全盛期に比べて製品数が少なくなったフィルムカメラですが、まだ新品を購入することも可能です。そこでこのページでは、フィルムカメラとデジタルカメラの違いや購入時の選び方、フィルムカメラの使い方を解説すると共に、今通販で買える新品のフィルムカメラを紹介します。
フィルムカメラとは、写真用フィルム(感光材)を使って写真を撮るカメラのことです。現在、主流となっているカメラはデジタルカメラですが、その違いについては次から解説していきます。
フィルムカメラとデジタルカメラでは、画像を記録する方法が違います。デジタルカメラはCCDもしくはCMOSセンサーに光を当てて、画像を瞬時にデジタルデータにして記録します。そのため、モニターを通して撮った写真をその場ですぐに確認できます。
一方のフィルムカメラは、光を当てたフィルムを現像液に浸けることで起こる化学反応を利用して画像を記録します。撮影した写真はすぐには確認できず、現像が必要になります。実はそれ以外のカメラとしての構造は、基本的には同じです。ただ、電力がなくとも撮影という行為が機能するのはフィルムカメラだけです(中には、オート機能を電力な頼っているフィルムカメラもあります)。
フィルムには大きく分けて3種類ありますが、現在フィルムカメラらしい優しい写りと評されているものは、「カラーネガフィルム」によるものです。
カラーネガフィルムの写りはデジタルカメラに比べると、ふんわりと優しい印象になる傾向にあります。暗い部分は潰れがちですが、明るい部分はデジタルカメラよりも表現力に富んでいて、白飛びしづらくなっています。
なお、写真の色や粒状感(ざらざらした感じ)は、使うフィルムによって変化します。白黒フィルムや、撮ったフィルムがカラースライドになるポジフィルムもあり、フィルム選びもフィルムカメラの面白さの1つにもなっています。
今、新品で購入できるフィルムカメラは多くありませんが、選ぶときに押さえておきたいポイントはいくつかあります。
富士フイルムの「写ルンです」に代表される使い捨てカメラ(レンズ付きフィルム)なら、とても手軽にフィルム写真の魅力を味わえます。
パッケージを空けたらダイヤルを回してフィルムを巻き上げ、シャッターボタンを押すだけで写真が撮影できます。使い終わったら、そのまま写真現像店に預けるだけでOK。入門用にも最適です。
いわゆる普通のカメラです。フィルムの交換ができるので、カメラ本体が故障するまで使用可能です。いろいろな種類のフィルムを使ってみたい人におすすめです。
カメラの裏蓋を開けたら、フィルムをセットして、蓋を閉めてからダイヤルで巻き上げます。1枚撮ったらレバーもしくはダイヤルで巻き上げ、撮影がすべて終わったらフィルムを巻き戻してから取り出します。
フィルムを光に当てると撮った写真がすべてダメになるため、撮影中は決して裏蓋は開けられませんし、途中でフィルムを交換することもできません。そんなところも、今再び新鮮に感じられるのかもしれません。
フィルムカメラは、デジタルカメラのように画像の明るさを簡単には変えられません。暗い場所で撮りたい場合、フィルムの「感度」が高い物を選ぶ必要があります。
晴れた日中なら感度が「ISO100」のものを、晴れた日中から夕方くらいまでなら感度「ISO400」のフィルムを選びます。薄暗い場所で撮影するには「ISO800」や「ISO1600」のフィルムを選ぶと良いでしょう。
ストロボがついているカメラなら、多少暗くてもなんとか写ります。とは言え、全体を明るく照らすことは難しいのでご注意を。
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1986年に登場し、一世を風靡した使い捨てカメラ(レンズ付きフィルム)「写ルンです」。ただシャッターを押すだけで、デジタルカメラでは撮れない味わいのある写真が撮れます。
使い捨てカメラ全盛の頃から、その使い易さは他メーカーを凌駕するものでした。さらに富士フイルムのフィルム技術は“世界一”と言っても過言ではなく、写りも安定しています。フィルム写真に興味があるなら、まずここからスタートしてみてはいかがでしょうか?
感度800の高感度フィルムが入った、使い捨てカメラです。コダックは富士フイルムと並ぶ世界のトップフィルムメーカーで、「コダックブルー」と呼ばれる鮮やかな空の表現のファンがたくさんいました。
ISO800の高感度フィルムを使っているため、多少薄暗くても撮影できます。室内や夕方~夜に撮影するのにおすすめです。反対に晴れた日中だと、色味がイマイチかもしれません。夜はフラッシュを使うと、デジタルカメラとはひと味も違った表現を楽しめます。
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ドイツのAGFA(アグファ)のフィルムは、濃厚な色再現が特徴です。日本では、写真家の蜷川実花さんが愛用していたことでも有名で、2000年代にカメラ女子の間で大ブームとなりました。使い捨てカメラとしての使い方に他の製品との差はなく、実にシンプルなもの。色鮮やかな外国の町並みや、南国の海と空などを写すと真価を発揮します。
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イギリスの「ILFORD(イルフォード)」は、モノクロ(白黒)フィルム専門のフィルムメーカーです。そして、この使い捨てカメラに入っているのもモノクロフィルム。光と影で描き出す白黒写真は、今も色あせない魅力があります。
この使い捨てカメラのフィルムは、カラーフィルム用の現像液で現像できるようになっています。白黒写真を現像できるラボはめっきり少なくなってしまったので、街の写真屋さんにも預けられるのはかなりのメリットです。
防水ケースが付いた使い捨てカメラです。水中写真はデジタルカメラに防水ケースを付けて撮影するのが主流ですが、万が一の故障が怖く感じる人もいるでしょう。そんなとき、このカメラなら気軽に水中撮影に挑戦できます。
シュノーケリングやスキューバダイビングはもちろん、海やプールでも活躍します。ストロボはついていませんがISO800の高感度フィルムが入っているので、多少薄暗くても撮影できます。
ここからは、フィルム交換式カメラの紹介です。コダックのフィルムカメラ「M35」はわずか3000円台という低価格で、しかも7色ものカラーから選べるポップなカメラです。
レンズの焦点距離は、見たままの景色を自然にカバーしてくれる31mm。フラッシュ付きなので、室内や夜でも撮影できます。本体は約100gと軽量。フラッシュ用に単四電池を1本入れて使います。
ドイツのAGFAブランドのフィルムカメラです。デザインは、昔のカメラを彷彿とさせるクラシカルなもの。このモデルはシックなブラウンですが、他にレッドとブラックも販売されているので好みに合わせて選べます。
イギリスのイルフォードブランドのフィルムカメラです。レンズは31mmで、フラッシュ付き。それぞれのパーツの配置もコダックM35に似通っています。
デザインは、イルフォードが最もクラシカル。適度にチープ感もあるので、トイカメラ好きにも刺さりそうです。イルフォードのモノクロフィルムを入れて、自由気ままに写真を撮るのが似合います。
ホルガ(Holga)は、2000年代に旋風を巻き起こしたトイカメラです。一般的なカメラと違う「ブローニー判」と呼ばれるフィルムを使い、正方形の写真が撮れるのが特徴です。
ホルガで撮る写真は、周辺がぼやっと暗くなる独特なもの。他のどんなカメラとも違う、味わいのある写りが魅力的です。大きくてずんぐりむっくりしたデザインですが、プラスチック製なので重くはありません。
ここからは、フィルムカメラの使い方の解説をすると共に、疑問にも答えていきます。
delihayatGetty Images写真の撮り方に違いはありません。このページで紹介したおすすめのカメラは、露出を調整する難しい機能はありません。ですが、高性能なフィルムカメラであれば、デジタルカメラと同じような調整機能が付いています。
megakunstfotoGetty Images現在販売されているフィルムは、大きく3つの種類があります。
デジタルカメラが登場する前、最も普及したのはカラーネガフィルムです。柔らかく優しい写りで、失敗が少ないのが特徴です。
モノクロネガフィルムは、カラーネガフィルムから色をなくしたものですが、現像できる現像所がかなり少なくなっています。カラーリバーサル(ポジ)フィルムは広告写真分野などのプロが使うフィルムで、技術が必要となります。
基本的にカラーネガフィルムを使ってモノクロ写真に挑戦したい場合は、モノクロネガフィルムを使うのがおすすめです。
Sean GladwellGetty Imagesフィルムの感度とは、フィルムが光を感じる能力のことです。デジタルカメラはいつでも調整できますが、フィルムカメラは選ぶフィルムで決まります。
例えば高感度な「ISO800」フィルムは、光を当てる時間が短くて済むため、暗くて光が少ない場所でも写真が撮れます。反対に「ISO100」のフィルムは、光をたっぷりと当てる必要があるため日中の撮影に向いています。
画質が良いのはISO100のフィルムで、感度が上がるほどザラザラとした写真になりがちです。そういったことから、感度と画質のバランスが良い「ISO400」が人気を集めてきました。購入する際はまず、ISO400から試してみるとよいでしょう。
igorissGetty Images一概にフィルムカメラと言っても、さまざまなカメラがあります。古いカメラで電子部品のほとんどない機械式のカメラであれば、職人さんが修理できる可能性は高いでしょう。
反対に1990年代以降の製品などで電子部品だらけのものになると、職人さんでもなかなか修理が難しい場合もあります。メーカーの修理対応期限が切れている場合は、修理そのものが難しい可能性もあります。
今、新品で販売されているカメラは、かなり簡素なつくりで、長く使うことを想定したものはありません。そのため、故障したら買い換えるものと考え、気に入ったら予備を買っておくことをおすすめします。
mediaphotosGetty Images古いフィルムカメラには、魅力的な製品がたくさんあります。金属製ならではのクラシカルなたたずまいは、モノとしての魅力にもあふれています。
中古のフィルムカメラが欲しい場合、できるだけ実物を見て買いましょう。裏蓋を開けて照明にかざし、レンズに傷がないかをしっかり確認するほか、裏蓋を密閉して光が入らないようにするスポンジ(モルト)が劣化で溶けている個体も多いので、ここも確認しましょう。
通販で購入する場合は(実店舗で買うときもそうですが)、返品規定や保証についてもしっかり確認することをおすすめします。
Studio4Getty Imagesフィルムカメラで撮った写真をデータ化する場合、フィルムをスキャナーでスキャンするか、プリントした写真をスキャンすることでデジタルデータへと変換できます。
スキャナーを購入すれば自宅でもできますし、最近は、富士フイルムなどがデータ化してくれるサービスを行っているので、そうしたものを利用してみてもよいでしょう。スキャナーを購入するなら、コチラの記事もぜひご覧ください
Related Storyスキャナーおすすめ11製品|ハンディタイプ・フィルム・名刺専用まで幅広く紹介今、フィルムカメラで撮った写真が魅力的に見えるのには、心情的なものもありますが、明確な理由もいくつかあります。
ひとつは、フィルムが「人々が美しく感じる写り」を目指して進化し続けてきたものだからです。画像加工アプリがない時代、きれいな写真を撮るためにはフィルム選びが大変重要でした。各メーカーがしのぎを削って開発したフィルムは、人の記憶を残してくれるような印象的な写り方をしてくれます。
もうひとつは、フィルムで撮った写真をプリントするとき、お店の人が明るさや色を微調整してプリントしてくれるからです。最近のスマホが自動で写真の明るさや色味を補正してくれるように、プロが写真を補正してくれています。
フィルムカメラを使えば、こうした恩恵をまだ味わうことができます。フィルムとフィルムカメラが残っているうちに、ぜひその魅力を味わってみてください。
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